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中国映画感想の八-「フーケアーズ」

 今回の映画は「結婚証明書」の紛失がもとで、大騒動になってしまった家族の心の動きを13才の娘「小文」の目を通してコメディータッチに描かれたものです。

 驚いたのは、中国では、たった一枚の結婚証明書なる公的書類が正式な家族構成を保つためには必要欠くべからざる絶対的なものであるという現実、日本ではとても考えられない事です。

 証明書がないと子供の健全な育成にも影響を及ぼすとなると親が必死になるのも当然ですね。

 すったもんだの挙句、家庭崩壊寸前で何とか家族は元のサヤに戻ったものの、映画は疑問を残したまま終わります。

 この映画の中で、とても印象に残ったシーンは父親の職場である、精神科病棟での様々な出来事でした。

 恋人を事故で亡くした元バレリーナが刃物を持って踊り回ったり、同じ言動を何度も繰り返す男性患者、うつろな目をしてオリの中から「こいつら、変な奴らだ」と言いたそうにして、こちら(実社会)を見つめている患者達。一見、滑稽で不自然な行動が心の病に侵されている証なのに、なぜか似た様なことが健常者の生活の中にもあるよね…。と、この映画は言いたかったのではないでしょうか。

 満たされている様で不確実な現代社会、今は良くとも、この先「OK!」という答えが出るかどうかは疑問だな…と小文ちゃんは最後に思ったのかも…。

 今回の映画は現代風でユーモラスに人の心の動きを捉えた、とっても素晴らしい作品で、楽しかったです。

 そして、私も誰かにケアしてもらっているんだろうなと思いました。

 感謝です。

                                        --田中安子

 
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