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中国映画感想の七-「絶世」

 戦いの映画を観る度にいつも疑問に思うことがあります。事の発端は一体何だったのだろう…。権力争いが大分の原因でしょうが、ほんの些細な出来事から大きな戦争となり、やられたら、やり返すという悲惨な結末を迎えることになってしまう。

 今回の映画は、20世紀初めの出来事、部族間での戦いが舞台になって繰り広げられる愛と勇気の物語です。

 ヒロイン「イラン」は敵に母や仲間を殺されて怒り狂います。しかし、彼女が敬愛している男性に「敵も味方も土に埋まれば皆同じ」と諭され、その言葉を深く心に刻み込む。

 イ族の為にと、闘士「ルモ」に嫁いだイランは屈折した結婚生活の中で平和のための行動を取って行き、やがて、その強い信念により夫ルモの気持をも変えることが出来る。

 戦国の世にあって掟と占星術により、行動を決めざるを得ないリーダー・ルモの葛藤をきめ細かく捉えてあるところは圧巻でした。

 そして、勇者としての誇りは妻の数でもあるという事実、それを受け入れなければいけない女の性(さが)。第一夫人の心の描写が素晴らしかったです。

 それから、この映画のすごさはロケ地である雲南部の山々と自然の素晴らしさ、それと部族の慣習、特に生まれたての赤ちゃんを超特大の真っ赤な布の上に乗せ高さ何㍍もある所から下へすべり落とす儀式。布の大きさといい、危険を省みない祝賀の所業が何とも見事であり、迫力を感じました。そして、イラン役の女優さんの美しかったこと…。知的で、きりりとした目鼻立ち、正義感の強い女族長にぴったりの役でした。

 監督さんの力量が強く感じられました。

 今回も心に残る良い映画を鑑賞させて頂きました。感謝。

 田中安子

 
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