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食の安全を支える 「オリンピック野菜」
2008/07/31

   オリンピックの開催期間、北京は国内外から750万人もの人々を受け入れると予想されている。大会に参加する選手やコーチをはじめ、各国の政府関係者やメディア関係者、そして観客や観光客たちだ。彼らの食を満たすために、野菜の需要量は1日あたり約5000トンに達する。

 

快適な環境で育つ

紫キャベツ、レタス、ガイラン、セロリ、ブロッコリーなどが二重になった温室の中で気持ちよさそうに日光浴をしている。ここは野菜たちにとって、温度、湿度、光の照射、灌漑などがすべてオートメーション化された、現代的で居心地のよい「部屋」なのだ。

 

北京近郊にある「北京天安農業発展有限公司」は、北京オリンピック組織委員会と北京市農業局が共同で設立したオリンピック農産品供給基地のひとつ。1997年に農業部から国家A級の「緑色食品(有機食品)」生産基地に認定された。

 

劉燕飛社長は、「ここの野菜ハウスはフランスから導入したものです。保湿効果が高く、外の悪天候の影響を受けることもありません。ハウス内の基本設備はすべてコンピューターによってコントロールされていて、天井や側面の窓、日よけの網などは自動で開閉します。野菜は最適な環境の中で育つことができるのです」と紹介する。

 

薄暗い早朝、ハウスの中では野菜の収穫が始まっていた。まだ気温が低いため、この時間に収穫すると新鮮さを保つことができるのだという。

 

朝露にぬれた野菜は、検査を通ったあと、2000平米以上もある作業場に運ばれる。作業場では40人あまりの作業員が整然と、野菜の選別や箱詰め、トレーサビリティー(履歴追跡)ラベル貼りなどを行い、最後に貯蔵庫に送られる。レタスやガイランなどの葉物は摂氏4度で保存され、キュウリやヘチマなどの瓜類は摂氏10度の貯蔵庫に入る。

 

種類豊富な「オリンピック食品」の安全性を保証するため、北京市はオリンピック食品安全専門家委員会を設立し、『2008年北京オリンピック食品安全行動綱要』を制定した。同綱要によると、北京市は世界保健機関 (WHO)の食品安全基準をもとに、EUや米国の安全基準を参考にして、北京オリンピック食品の安全基準を決定。また、2年前には、生産基地の候補地の空気や土壌、水の様子を調査し、そこで栽培している農産物に対しても定期的なサンプル検査を行った。

 

同委員会の要求に基づき、生産基地の候補地は「オリンピック野菜」を栽培する際、農薬や化学肥料などを一切使用することができない。そのため、物理的・生物的な方法で病気や虫害を防ぐ。各ハウスには専属の管理者がいて、毎日定刻に野菜を収穫し、規定どおりに輸送する。

 

オリンピックの開催は、ちょうど高温多雨の季節にあたる。また、野菜があまり出回らない時期でもあり、病気や虫害が多発する時期でもある。そこで専門家は、野菜の安全性や品質、供給を保証するため、北京の地理的条件や気候に合わせ、郊外の延慶、懐柔、密雲などの区や県の農村に野菜生産基地を設立して、農民たちを指導している。

 

また、北京オリンピック組織委員会と飲食業界は、世界各地からやってくる選手と観光客のために「オリンピックメニュー」を作成した。このメニューは西洋料理が70%を占める。このため、ヨーロッパの国々でよく使われているミントやバジル、ローズマリーなどのハーブ類が北京郊外でも栽培されるようになった。

 

トレーサビリティーを導入

 

 

「オリンピック野菜」のコントロールルームのスクリーン上で、ひとつの赤い点がオリンピック選手村の方へ移動している。GPS測定システムで北京郊外の昌平区小湯山鎮からやって来る「オリンピック野菜」を満載した冷蔵車の移動を表示しているのだ。

 

冷蔵車に積まれた野菜にはすべて、「身分証」であるバーコードラベルが貼られていて、生産地や加工過程などが記録されている。この「身分証」は、最新のデジタル技術によって、野菜の生産から輸送までの全過程を追跡できるようになっているのだ。

 

中国科学院オートメーション化研究所の譚傑さんは、「このバーコードラベルを使って、『オリンピック野菜』の生産、加工、輸送など各過程の情報を収集・分析することができ、野菜が消費者に届くまでの全過程を監督することが可能になりました。これにより、野菜の安全管理が強化されます」と語る。

 

オリンピックの際には、選手たちが専用のカードを使って食事をすると、それを通して、自分が口にした食品がどこで生産されたのか、食材は何か、配送地や生産加工地などの情報も分かるようになる。畑から食卓に届くまで、万一どこかの段階で問題があった場合には、すぐに調べることが可能だ。

 

冷蔵車で輸送する紫キャベツやレタス、ガイランなどの野菜も厚い加護を受けている。 測定システムと温度・湿度自動記録システムで、生産基地から加工工場、そして配送センターから選手村までの全過程がコントロールされているのだ。北京市食品弁公室監督協調所の唐雲華所長は、「輸送車がもし決まったルートから外れたら、コントロールセンターのシステムが自動で警報を鳴らします」と話す。

 

唐所長によると、北京市は2005年に「オリンピック食品安全行動計画」をスタートさせ、今では、「オリンピック野菜」サプライヤー5社、加工配送企業41社、スーパーマーケット10店が、トレーサビリティーシステムに組み込まれている。水産品類のトレーサビリティーシステムもすでに7社が試行を始めているという。

 

オリンピック後も考慮

 

 

オリンピックの開催中、各国の選手やコーチたちは選手村内で食事を済ませることが多い。しかしその他の外国人の多くは街に出て、一般の飲食店で北京の美食を味わうことだろう。

 

これについて、北京オリンピック組織委員会大会サービス部の向萍・副部長は次のように話す。「オリンピックエリア以外の場所にも推薦店を設立し、オリンピック・ハンドブックに記載します。推薦店は、厳格な品質検査をパスしないとその資格を得られません」

 

「オリンピック食品安全行動計画」は市内の飲食サービスすべてに及ぶ。オリンピック開催中は、推薦店だけでなくすべての飲食店が厳しい検査と監督を受けることになるという。

 

このことは市民にとっても利がある。トレーサビリティーシステムは、オリンピックの終了後も日常の食品管理の中で用いられる。履歴追跡ができない食品は北京市内に入れず、「身分証」がないと市場に出ることができないのだ。今後、正規のルートで購入する食品は、卵1個、魚1尾まで、すべて履歴追跡できるようになるという。

 

オリンピックが終了すると、「オリンピック野菜」の供給システムは、北京市の野菜の生産、輸送、加工、貯蔵など各方面の安全レベルを高める役割を果たす。それと同時に、食品安全の源に重点を置くため、生産基地の建設と管理を引き続き強化する。

 

王岐山・前市長はかつて次のように語った。「『オリンピック食品安全行動計画』は、選手や各国の政府関係者、メディア関係者などオリンピックに直接関係する人たちだけでなく、北京市民一人ひとりのためでもあります。北京がオリンピックを開催するのは、その10数日間のためだけではなく、都市建設に持続的な発展のチャンスを与えるためなのです」

 

(「人民中国」ウェブサイトより)

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