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中国映画感想の五-「私の家はどこ」

長男に引き取られ、恵まれた生活を送りながら、なぜか心が満たされない老いた母。そして、家族との摩擦――。映画は、老後の生き方という重い課題を突きつけた秀作である。

老後の生き方に正解はない。ただ、自立する気持ちを持つこと、新しいことへの挑戦が必要ではないだろうか。新しいことへの挑戦は、新たな発見を生み、心を豊かにしてくれるに違いない。実際、数年前から中国語の会話を習い始めた私は、一つの言葉から、中国の文化を知るおもしろさと達成感を味わっている。一方で、若い友人もできた。活到老,学到老。生きている限り、学び続けること。それが老いの入り口に立つ私の生き方である。心満たされる毎日なのである。

奥村恒彦

国が違っても家族を思いやる気持ちは同じなんだと,家族の強い絆に感動しました.老人問題がテーマの映画で,いくしか親が年を取り介護を余儀なくされた時,介護する人,される人,それぞれの思いやりがなかなか相手に通じず,裏目裏目に出てしまい皆が崩れそうになった時でも,決して諦めずに家族を思う強い愛で乗り切ることが出来たというストーリーでした.

この映画を見て,登場人物の心情がリアルに美しく描かれているのに,本当に感心致しました.

それと同時に,映画では少なからずハッピーなラスト…現実は家庭崩壊と隣合わせの辛い日々であることのギャップを痛感せざるを得ません.

私も現在91歳の姑を介護しています.嫁としての自分の姿が映画の中のお嫁さんと重なり合う部分もたくさん有りました.嫁としてのやりきれなく満たされない気持ちはそっくりです.

この映画の年齢設定が私達よりだいぶ若く,この内容の1020年後の姿が現在の私の日常です.肉体も精神も日々衰え,優しさ思いやりの気持ちがどこかに行ってしまいそうな日々でもあります.

又,いつか是非私達の年代ファミリーの映画を撮って頂きたいと願っています.

最後に,この作品を観て中国映画のきめ細かさ,温かさ,それから俳優さん達の名演技に心から拍手を送りたいと思いました.

そして,近い将来,私が主人公と同じ年になった頃「私の家はここ」とはっきり言えるような自分でありたい願っています.

本当に心に残る良い映画でした.

 

田中安子

 

現代的な生活を舞台に、息子が田舎から年老いた母親を呼び寄せたものの生活習慣の違いや生活リズムの違いから、相手を思いやれば思いやるほどすれ違っていく親子の様子が描かれています。登場人物の言葉のやりとりや何気ない仕草、行動に一つ一つ頷ける分だけ見ている方は話の展開にもどかしくやきもきさせられました。

高齢化社会や年老いた親の世話などそっくりそのまま日本に置き換えることができます。

おばあさんがおじいさんの写真を見つめ「生きていてくれたらどんなによかったか…」とつぶやくシーンには、見送った私の両親や姑を思い出し胸がいっぱいになり、涙が溢れました。紆余曲折を経てお互いの思いを理解しあったラストにホッとすると同時に、いずれ自分達にも起こり得るであろう老後の生活と人生の締め括りというものを、深く考えさせられた映画でした。

西克子(団体会員)

 

老いた母親を都会に呼んで一緒に暮らそうと決意した長男家族.決意するまでには,沢山の葛藤があった事だろう.住み慣れた田舎の思い出のつまった街から都会に出る母親の胸中を思うと胸が一杯になる.我が家の20数年前の状況と同じだ.どこまでも老いた親を思い気づかいながら,すれちがう長男,嫁と母親.都会での長男の暮しは,田舎の暮しに慣れた老母にとって驚きの連続だった.色々な物を洗濯してしまい,嫁が「これは家で洗えないものなのに」と戸惑うシーンなど自分のことと重なりハッとする.「この母はどうなるのだろう」と展開にハラハラさせられるが,丁寧な描き方,そして何よりも嫁も含めた長男家族や,とりまく人々の深いやさしさや思いが伝わり見終わったあとは重いテーマながら暖かいほっとしたような気持ちにさせられる.いい映画だった.ありがとうございました.

 

金城和代(団体会員)

人ごとでない身につまされた映画,老後の幸せとは何か.忙しくそれぞれが時間に追われる生活をする中で一緒に暮らす意味は何か.高齢者の間では,まだまだ息子と娘と同居することが願い,夢のように考えられているけれど,世代の異なる人の心を受けとめコミュニケーションを計れるほど余裕はありません.まして,経済的にゆとりのない人達の間では.主人公はまだ豊かな生活ぶりのようでした.日本では,年金も少なく,その年金する生活費としてあてにせざるをえない家族がいることが問題となっています.

源城知江

 
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